吹き替え翻訳】 ルール

吹き替えのルール

☆吹替翻訳の基本早見表はこちら


1.尺を合わせる(セリフの長さとスピードを合わせる)
基本的にはブレスどおり、セリフの始まりから終わりに合わせます。

〈例〉Bobby:Happy birthday, Andy!/ I found a perfect gift for you. /
   I hope you’ll like it./
   Andy:Thank you so much!/ May I open this?

原音を聞きながら、ブレス(息継ぎ)で斜線を入れます。

2.話者の身振り、口の動きに合わせる
あくまで画面の人物の動きと言葉に合わせます。
原文を大切にしながら忠実に翻訳し、かつ普段私たちが話しているような自然な言い回しでなければなりません。
画面の人物の目の動き、表情、手の振りなどに合うセリフをつけます。
自分で声を出しながらセリフの速度も原音に忠実に合わせます。
画面の人物が早口で話せば自分も早く話してセリフをつけます。

3.音声は全部拾う
登場人物のセリフだけでなく、画面上の音は全部台本に載せます。
BGM、効果音(ドアの開閉音、足音など)、テレビやラジオの音、犬の鳴き声、
エキストラのセリフなどのガヤもすべてです。
例えば、カフェで会話しているシーンでは、メインの人物以外のセリフも入れます。
原音が聞こえないことがほとんどですが、その場合は創作して別紙で台本を作ります。

4.役者になりきる
もとの音声に尺をぴったり合わせなければならないのでセリフを声に出しながら翻訳します。
時には男性になったり、時には女性になったり…
翻訳者は作品の全役柄になりきらなければならないのです。

5.脚本家になる
吹き替え台本は、ドラマの台本と同じです。
 
(例)レストラン  (M)
          (SE プレゼントを取り出す)
   ボビー    アンディ誕生日おめでとう
          君にピッタリのプレゼントを見つけたよ
          気に入ってくれるかな
  アンディ    ありがとう
          開けていい?

「アンディ誕生日おめでとう」と一息で言っている場合は上記のように
「アンディ」と「誕生日おめでとう」の間にスペースは入れません。
セリフのとおりに書きます。

6.記号 
効果音や音楽、オフシーンなどの示す時に、アルファベットで略語を使います。
記号は演出者や制作会社によって多少異なります。
ここでは一般的に使われているものをご紹介します。

・ON  
画面に役者が映って口の動きがわかる場合。
セリフ上に記号がないものはONと見なす場合もあります。

・OF/OS/OFF
ナレーションは独白以外で、画面に役者が映っていない場合につかいます。
これらの記号を使わずにカッコ[ ]で囲む場合もあります。

・B (Back)
口だけが隠れている場合や後姿などの場合に、
画面に映っているが、口もとが見えない場合に使います。

・VO (Voice Over)
実況中継、ナレーション、独白などに(画面に出ている役者の口が動いていない)場合に使います。

・F (Filter)
マイク、無線、スピーカーを通した声などに使います。

〔セリフ中で使用する記号〕
・《  》 息とも声ともとれる音、何か言っているがはっきりしない声などを括ります。

〔効果音や音楽などに使用する記号〕
セリフと異なる行に記入します。括弧で囲んで、読みやすいようにセリフが始まる位置より下げましょう。

・(M)/(ME) 音楽(=Music Effects)

・(M・IN)  音楽が流れ出す箇所

・(M・OUT) 音楽が消える箇所

・(SE)    音響(銃声、足音、車の騒音などの効果音) (=Sound Effects)
       表記例) SE銃声 SE車 など、SEの後に音の内容を記入する。

・(ガヤ)   大勢の人がしゃべっているが、具体的な内容は聞き取れない場合

*ほかにも(拍手)(歓声)(どよめき)などがよく使われる。


注:ガヤですが、ガヤを書く場合は音声で聞こえる量よりも、多めに原稿を書いておきましょう。


吹き替え翻訳のトップページへ