「応答せよ1994」

今回は、とっておきのドラマをご紹介!  「応答せよ1994」は、1994年のソウル・新村を舞台に、下宿の娘ナジョンと、下宿していた5人の男性の恋や友情を描いた物語。大ヒット作「応答せよ1997」を手がけた演出家のシン・ウォンホ、脚本家のイ・ウジョンが再びタッグを組み、韓国では「1997」以上の人気となった話題作だ。


ボーイッシュなナジョンのハートを射止めるのは、4人のうちの誰なのか。現代の姿と交錯させながら伏線を散りばめていく、脚本&演出の手法は、さすが秀逸。アラフォー世代であれば(もちろん、それ以外の世代でも!)、大学時代の自分の姿を追体験しているような気持ちになるかもしれない。


もうひとつ興味深いのは、このドラマが1994年の韓国を忠実に再現しているということだ。学生のワンルームマンションでの1人暮らしがまだ一般的ではなく、下宿で家族のように暮らすのが当たり前だった時代。ポケベルが唯一の個と個を結ぶツールであって、電話ボックスの前には長い列ができていたこと。ちょっぴり不便な暮らしだけど、都会の片隅での人情に溢れる学生生活が、当時の音楽に乗せて生き生きと描かれている。


実は、ペ・ヨンジュンがドラマ「愛の挨拶」でデビューしたのは、1994年。ドラマではチャン・ドンゴンやイ・ビョンホンが、若き青春スターとして頭角を現し始めていた。また、韓国音楽界に革命をもたらしたとされる伝説のグループソテジワアイドゥルのアルバム「渤海を夢見て」が、この年、100万枚を超える大ヒットを記録。2PMをはじめとする人気アーティストを率いるJYPエンターテインメントのパク・チニョン代表が、斬新なセクシーダンスのR&B歌手として一世風靡をしたのもこの年だ。


社会的には、民主化が達成され、経済的にも豊かさを享受できるようになった時期。1994年は、今につながるドラマやK-popのまさに黎明期ともいえるだろう。素朴で不器用、だけど、とびっきりカッコイイ。20年前の韓国に、ドラマとともにタイム・スリップしてみるのは、いかがだろうか?



「応答せよ1994」
【CAST】
コ・アラ(Ara)
チョンウ、ユ・ヨンソク、バロ(B1A4)
ドヒ(Tiny-G)
■発売日9月26日(金)セルDVD-BOX1&2リリース
■価格:各12800円(税抜き)
■発売元:応答せよ1994製作委員会 
発売元:エスピーオー
http://www.cinemart.co.jp/1997-1994

あらすじ
994年、ナジョンの両親が経営する「新村下宿」に6人の若者が集まってくる。彼女にとって実の兄のような幼なじみのオッパ、スレギ。大学進学を機に地方からやってきたお調子者のヘテ、レスリー・チャンに似ているというサムポンボ、寡黙な青年ピングレ、アイドルの熱狂的なおっかけユンジン。そしてピングレのいとこでソウルに暮らす大学野球界期待の星チルボン。彼らがともに過ごした、8年の日々。そして、2013年、ナジョンの新居に再びあの6人が集まってくる。その中には、現在ナジョンの夫となった男性も――。果たして、彼女のハートを射止めたのは!?



執筆者:桑畑優香(ライター・翻訳家)


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