『マイ・リトル・ヒーロー』



ドラマ『屋根部屋のネコ』や『ラブストーリー・イン・ハーバード』で、多くの女性
のハートをわしづかみにした、キム・レウォン4年ぶりの復帰作。元祖韓流スターと
してのアイドル的なイメージが強いキム・レウォンだが、実は韓国の放送局が主催す
る演技大賞に何度も輝いたことのある演技派だ。


その彼が、軍隊生活を経て4年ぶりに大スクリーンに復帰!となれば、必見でしょ、
と鑑賞したのが『マイ・リトル・ヒーロー』。
これが、私的ツボにハマった一作となった。


まずは、ぐっと大人になったキム・レウォンが魅力的。以前は青年や学生のイメージ
が強かったが、今回はミュージカルの音楽監督という、責任を背負う仕事人の顔に。
序盤ではうだつの上がらない音楽監督だった彼が、夢に向かってひたむきに生きる
少年ヨングァンと出会い、徐々に変わっていく姿に引き込まれる。


また、韓国ミュージカルファンとしては、ミュージカルの劇中劇を大スクリーンで楽
しめるのも見どころのひとつ。韓国ミュージカルが得意とする歴史物のミュージカル
をはじめ、タップダンスやバレエなど、さまざまな舞台の世界を堪能できるのだ。
才能溢れる子役たちがステージの上でしのぎを削るシーンには、韓国の子役の層の厚
さを実感させられた。


そして、忘れてはならないのは、本作が韓国の多文化共生の現状に一石を投じている
と言うこと。ヨングァン役の男の子は、フィリピン人の母と韓国人の父との間に生ま
れたという設定。映画『ワンドゥギ』にも同じようなシチュエーションがあるが、
韓国と日本がそれぞれ直面している多文化共生の問題には類似した点も多く、隣人と
して考えさせられる。



『マイ・リトル・ヒーロー』
2014年7月12日(土)より 
シネマート六本木・シネマート心斎橋 他にて順次ロードショー!
http://my-littlehero.com/

あらすじ
ユ・イルハン(キム・レウォン)は、一時は嘱望されたミュージカル監督だったが。演出した大作が失敗、以後児童ミュージカルを転々としていた。そんなある日、彼に大型ミュージカル『朝鮮の王』のオーディションの企画が舞い込む。それは、ブラインドテストで子役とチームを組み、勝ち抜いた者が作品に携わり、ブロードウェイに進出できるというもの。イルハンは天性の歌声を持つヨングァン(チ・デハン)と組むが、ヨングァンは歌以外、容姿もダンスも、何一つとりえがなかった。しかし、ひたむきに努力するヨングァンに触発され、イルハンは、すべてをかけてオーディションに挑むのだがーー。



執筆者:桑畑優香(ライター・翻訳家)