『ヴェルサイユの宮廷庭師』

10月10日公開の『ヴェルサイユの宮廷庭師』は、17世紀のフランスを舞台に、"女が男社会で働く"ヒントがいっぱい詰まった現在に通じる女性のためのビタミン・ムービーだ。ケイト・ウィンスレットがヒロインの女性庭師を演じ、『ハリー・ポッター』シリーズの"スネイプ先生"として有名な英国の名優アラン・リックマンが監督・出演を務める。

「太陽王」と呼ばれたルイ14世(リックマン)の時代。王が進めるヴェルサイユ宮殿の増改築計画に伴い、著名な造園家アンドレ・ル・ノートルと共に「舞踏の間」の建築に力を尽くした女性がいたーーという仮想に基づくフィクションだ。心に傷を負い、ひとり仕事に打ち込んできた主人公のサビ—ヌ・ド・バラ(ウィンスレット)は、そのフレッシュな感性を認められ、「舞踏の間」の造園を任される。しかし、そこには様々な困難が…。一生懸命に仕事に打ち込む女性を描いたお仕事映画でありながら、ル・ノートルも次第にサビ—ヌに惹かれていき…という、ラブストーリーもしっかり盛り込んだかなり女子力の高い作品に仕上がっている。(スネイプ先生、おそるべし!)

この映画で参考にしたいのは、建築現場という男社会で女性のリーダーとしてしっかり任務を遂行するサビ—ヌの身の処し方だ。300年以上前の設定の物語ではあるが、現代日本で働く私たちにも真似できそうなポイントがいっぱい。見栄を張るのはくだらないとわきまえ、虚栄心の強い男性ライバルとは決して張り合わない。現場では自ら先頭に立って泥にまみれ、"本気の背中"を見せることでバカにしていた男どもを黙らせる。しかし時には、肩肘をはらずに男性からの助けを素直に受け入れ、感謝する。そして、これが一番のポイントなのかもしれないが、彼女の才能を認め、支えてくれる上司(ル・ノートル)の協力を得るーー。

実際、ル・ノートル役のマティアス・スーナールツ(『君と歩く世界』)のように男前で知的な上司なんて滅多にいないし、ましてや恋に落ちるなんてあり得ない!と思われるかもしれないが、まあ、それは映画という夢の世界のお話…ということで楽しんで!

『ヴェルサイユの宮廷庭師』
原題:A Little Chaos
監督・共同脚本:アラン・リックマン
出演:ケイト・ウィンスレット、マティアス・スーナールツ、
アラン・リックマン、スタンリー・トゥッチ
配給:KADOKAWA 2015年/イギリス/117分
10月10日(土)より角川シネマ有楽町、
Bunkamura ル・シネマほか全国公開
公式サイト:versailles-niwashi.jp

© BRITISH BROADCASTING CORPORATION, LITTLE CHAOS LIMITED, 2014

 

執筆者=新田理恵(フリーライター&エディター)




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