『20歳よ、もう一度』

昨年好評を博した韓国映画『怪しい彼女』の中国版『20歳よ、もう一度』が、今月公開を迎える。

70歳のおばあちゃん夢君(モンジュン)は、頑固で口うるさい性分。ただ、大学教授の息子とバンドマンを目指す孫には甘い。嫁がそんな姑へのストレスで倒れたことをきっかけに、一家はモンジュンを老人ホームに入れる検討を始める。傷心のモンジュンは、街でたまたま目に入った写真館へ。そこで「一番美しかった頃の自分」を思い描きながら写真を撮ると、なんと20歳の頃の姿に若返ってしまった。歌手に憧れていたモンジュンはテレサ(テレサ・テン=鄭麗君から拝借)と名乗り、新たな生活を始めるが・・・・・・。

本作は、『怪しい彼女』のいわゆる"リメイク"ではなく、同じプロットから誕生した姉妹作。もともと、韓国のCJエンタテインメントが中韓同時に製作を進めようとした企画で、中国版のメガホンを任された陳正道 (レスト・チェン)監督のスケジュールの都合により、先に韓国版が始動する形になったのだ。

ストーリーはほぼ同じだが、お国事情に合わせて微妙にチューニングしている点がミソ。 例えば、"子が親を世話してなんぼ"の中国人にとって、親を老人ホームに入れるというのはただ事ではなく、ラブストーリーの線を強調した韓国版に比べ、より親子関係を重視した内容になっている。また、モンジュンをベテラン女優の帰亜蕾(グァ・アーレイ)、テレサを『So young〜過ぎ去りし青春に捧ぐ〜』の楊子姍(ヤン・ズーシャン)が演じるほか、陳柏霖(チェン・ボーリン)や元EXO-Mの鹿晗(ルハン)など、キャストの美男美女度も高めだ。コミカルな韓国版より全体的にお洒落な仕上がりで、瑞々しい青春映画『花蓮の夏』を手がけたチェン監督のセンスを感じさせる。

近年映画界で続く中国と韓国のコラボ。昨年7月には「中韓電影合拍協議」(中韓映画合作協定)が締結され、中韓合作映画は、輸入制限の対象にならない国産映画として、中国で上映できることになった。韓国映画界にとって、中国の大きな市場は魅力的。一方、優秀な人材や企画が不足していると言われる中国映画界にとっても、韓国のスタッフやコンテンツは渡りに船だ。これから両国の映画業界がどう関わっていくのか、暫く注目したい。

『20歳よ、もう一度』
原題:重返20岁
監督:レスト・チェン 
出演:ヤン・ズーシャン、グァ・アーレイ、チェン・ボーリン、ルハン
配給:CJ Entertainment Japan 
2015年/中国/132分
6月12日(金)よりTOHOシネマズ新宿にて先行公開、
6月19日 (金)より 全国公開
公式サイト: 20again-movie.jp 

(c)2015 CJ E&M Corporation, All Rights Reserved. 

 

執筆者=新田理恵(フリーライター&エディター)




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