韓国のカフェブームの裏にエンタメあり

「韓国に行ったらカフェには入らず、韓国料理を堪能すべし」を座右の銘(?)としていたが、ここ数年のカフェの急増ぶりが気になり、先日ソウルを訪れた際に、ついにカフェに足を踏み入れた。


泡がふわふわのカフェラテに、甘さを抑えた緑茶と小豆のケーキ。カフェには自由に使える電源やWi-Fiも完備され、原稿を書くには最高の環境だった。周りにも一人で仕事をしたり、本を読んだり、ゆっくり自分の時間を過ごす人の姿が多く見られた。


韓国統計庁によると、2008年以来ソウルでは、カフェが毎年16.7パーセント以上の勢いで増えているという。また、ソウル市内のスターバックスの店舗数は、ニューヨーク市を上回るほどだ。


「'ご飯はみんなで食べるのが当たり前'という文化がある韓国では、一人ごはんができるカフェは、特に女子にとっては貴重な場所」と、韓国人の女性が言うように、カフェ人気は韓国の食事に「個の時代」が訪れつつあることの象徴でもあるようだ。

 


しかし、ブームの背景にあるのは、それだけではない。韓国エンタメファンの中には、ここ数年の韓国のドラマには、カフェが頻繁に登場していることに気づく人も多いはず。例えば、『相続者たち』では、大手コーヒーチェーン店MANGO SIXのPOSCO店がヒロインのアルバイト先という設定に。また、『棚ぼたのあなた』『クリスマスに雪に降るの?』でも、韓国生まれのコーヒーチェーンで最大手のcaffe beneがロケ地となっている。

実は、これはカフェによる広報活動の一環だ。つまり、ドラマの制作支援という形でカフェの店舗をロケ地として提供、若い世代にブランドをアピールするという手法である。結果、これらのカフェは国内外のエンタメファンから'ドラマの聖地'としても人気を博すようになった。

もちろん、韓国のカフェには「さつまいもラテ」や、「柿のジュース」「きなこのかき氷」など独自のヘルシーメニューもいっぱい。次回の訪韓時には、ドラマに登場した店舗やメニューを体感すべく、カフェめぐりの旅をしてみたい、と思うこの頃だ。

 

執筆者:桑畑優香(ライター・翻訳家)


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